Kavan Choksi: ウクライナ危機が日本市場に与える影響とは?

ロシアとウクライナの紛争が全世界においての緊張を高める中、日米両国が抑止力強化を打ち出したことに、Kavan Choksiは安堵を感じています。米国のブリンケン国務長官はプーチン大統領と会談した後、ロシアのウクライナ侵攻についてコメントし、日米の二国間同盟の抑止力・即応力を強化することに同意しました。しかし一方で、日本市場はこの事態を軽く受け止めることはありませんでした。

 

ウクライナ紛争の長期化懸念を背景に、夜間のウォール街で売りが先行し、日本の株式市場は安値引けしました。一方、インフレ懸念が売りの勢いを加速させました。米国労働省が発表した消費者物価の年間上昇率が19821月以来の高さで加速していることが、売りの勢いを加速させたとKavan Choksiは見ています。これは、米連邦準備制度理事会が景気過熱を防ぐために来週の会合で主要金利を引き上げるという予想を後押しするものでした。

 

225銘柄の日経平均株価は終値で527.62ポイント(2.05%)下落し、25,162.78円となりました。東証1部の全銘柄を含むTOPIXは、30.49ポイント(1.67%)安の1,799.54円となりました。また、ファーストリテイリングがカジュアルウェア部門のユニクロをロシアで営業停止にすると発表し、店舗営業を続けるという以前の決定を覆したため、個別銘柄では2.55%下落しました。

 

トヨタは、4月に国内生産を従来の計画より20%削減すると発表し、5%下落しました。東芝は、有力なアドバイザリー会社が同社の二分割経営への反対を表明したことから1.6%下落しました。その結果、日本円は対米ドルで116円台後半まで落ち込みました。

 

米国債利回りは、インフレの加速を示すデータにより一夜にして上昇し、米国への期待感を強めました。その結果、米国のインフレに対抗するため、連邦準備制度理事会はよりタカ派的な姿勢に転じています。日本円は1米ドル=116.71円で取引され、直近の安値である115.5円割れよりも円安の状態が続いています。

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