日銀が30年ぶりの高インフレを予測したことについてKavan Choksiがコメント

 世界の中央銀行がインフレに対抗するために金利引き上げを加速させており、日銀が過去数十年で最も急速に物価が上昇していると見ているなか、黒田東彦総裁はなぜ刺激策にこだわり続けるのか説明すべきだと、Kavan Choksiは考えています。

最近のエコノミストの世論調査によると、専門家は今年度の主要な消費者物価が、日銀の現在の予想1.1％に対し、1.8％上昇すると予想しています。SMBC日興証券のエコノミストは先月発表されたレポートのなかで、今年度のインフレ率を約2.5％と予測しています。

Kavan Choksiは、こうした見方が、中央銀行は四半期ごとの経済予測を1.2%の水準を大きく上回るよう引き上げなければならないとの期待に拍車をかけていると考えています。これらは、1997年、2014年、2019年の消費税増税の影響を除けば、30年間で最も大幅な物価上昇になることを示しています。2日間の政策決定会合の後、日銀は28日に予想を発表する予定です。

Kavan Choksiは、総裁として在任10年目、最後の年となる黒田東彦氏は、日銀がインフレ目標の達成に近づいていると思い込ませないよう、メッセージの内容を調整すべきだと考えています。こうした印象から、日銀が年内に政策を調整するかもしれないという見方が強まるのではないかと多くの人が考えています。

黒田総裁は、物価の上昇だけでは総裁が目指す長期的な成長をもたらすことはできず、中央銀行は景気刺激策を維持しなければならないと繰り返し述べています。米連邦準備制度理事会（FRB）や他の中央銀行のメッセージからの逸脱は、日銀の超低金利目標に圧力をかけ、円は過去20年で最低の水準まで下落しました。

先月、黒田総裁はコストプッシュ型のインフレが経済の重荷になると述べました。結果として、いかなる金融政策の引き締めも企業収益、雇用、賃金に「相当な」悪影響を及ぼすことになるでしょう。さらに、経済にはまだ刺激策が必要だという総裁の主張が円安に拍車をかけており、政府関係者は為替市場の安定を求める発言で円安を食い止めようと努めています。