Kavan Choksi、日本企業が賃上げしている理由を解説

https://pxhere.com/

バンダイ、トヨタ、カプコン、日立など、日本のトップ企業が過去10年で最も大幅な年間賃金の引き上げを承認しました。カプコンとバンダイにおいては30％の引き上げで大きな話題となりました。

 

しかし、この激動の時代になぜ日本がこのような大胆な賃金増額に踏み切ったのか、不思議に思われるかもしれません。世界経済はかつてないほど低迷しています。全社的な賃上げを行ったこれらの企業は今後生き残れるのでしょうか？

 

Kavan Choksiが、日本企業が賃上げに踏み切った背景にあるいくつかの要因について解説します。

 

https://nara.getarchive.net/

労働力不足

日本の急速な高齢化と少子化は、日本の労働市場に大きな打撃を与えています。日本では人口の40%近くが60歳を超えています。高齢者を中心としている企業は、退職を遅らせることで若い従業員の不足を乗り切らなければならないかもしれません。

長年にわたるデフレ

Kavan Choksiは、日本は伝統的に円安を歓迎してきたと指摘します。為替レートが下がれば海外からの観光客が増え、日本のGDPの多くを占める輸出の利益が最大化されます。

 

しかし、現在の日本は、サプライチェーンの問題やコロナ規制により、デフレを活用することができません。日本の国境は海外からの観光客にはまだ閉ざされたままです。結果として、デフレ下にある通貨は物価を上昇させ、購買力を低下させることにしかなりません。

 

新しい資本主義

全国的な賃上げは、高・中・低所得世帯の間の富の格差を縮小することを提唱する岸田文雄首相の「新しい資本主義」の呼びかけを後押しします。どの社会階層が円デフレに最も苦しんでいるかは明らかです。富を大衆層へ再分配することで、この弱気市場のなか、富の不平等を最小化することが望まれています。

 

まとめ

Kavan Choksiは、賃上げが現在の日本の労働力不足の打開策となるかもしれないと考えています。従業員により良い待遇を提供することが、大量退職に対抗する最も効果的な方法でもあるからです。

 

また、世界の大半がサプライチェーンの混乱、ウクライナとロシアの領土紛争、コロナ規制による経済的影響に悩まされているなか、より強固な労働市場が日本に優位性をもたらしています。日本は、第一世界のなかでも最も豊かな国の一つとして、その地位を維持することができるでしょう。